自然融雪技術

 北陸のベタ雪豪雪地帯の雪は、量は多いが春になると融けて無くなる。しかしながら、雪は湿っており重たいため、屋根積雪深が1mを超えると雪下ろしが必要となる。概ね2m(600kg/㎡)の積雪は根雪期間60日、3m(900kg/㎡)の積雪は根雪期間90日、4m(1200kg/㎡)の積雪は根雪期間120日なので、平均すると1日当り10kg/㎡である。
 ところで、融雪は春になると気温が上昇することによって進むと考えられて来たが、1から2月の厳寒期においても降雪時の湿度は90%以上と高いので、0℃の積雪表面に数度の大気が当ると結露水が発生する。雪の融解熱が80cal/ccに対して結露
 
水の潜熱は540kg/ccなので、結露水1ccで雪は約7cc融ける。
 従って、積雪層に空洞を発生させてその表面積を拡大すれば融雪水はそれに比例して増加する。単管で1m立方の立体トラスを作成して屋根上に載せて置くと1日平均8kg/㎡の融雪水が出る。その融雪水を再凍結する以前に排出すれば屋根雪荷重が減少するため、雪下ろしが必要で無くなる。また、小屋組の替わりに立体トラスで屋根材を吊る形態とすれば、極めてローコストな手間もスペースも最小限で夢の雪下ろしをしないで済む建物が実現する。

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